社会人

うつ病の人が「実家に帰りたい」と悩むのは大きな間違い?

うつ病でと診断された人。

またはうつ病じゃないかと疑ってる人。

うつ病かもよ?と誰かから言われた人。

「実家に帰りたい」と悩んでませんか?

「実家に帰るなんて情けないんじゃないか?」と悩んでませんか?

残念ですが、それ、大間違いです。

ごめんなさい。過激なことを言ってしまって。

でも私もあなたのためを想って言っているんです。

うつ病の人は「実家に帰りたい」と悩むべきではありません。

なぜならうつ病の人はすぐさま実家に帰るべきだからです。

この記事では、自身もうつ病になった経験があり、現役の薬剤師として軽度から重等度までうつ病患者に筆者が以下の悩みについて解説します。

ちなみに私がうつ病になったときは実家に帰って療養をしました。

この記事で解決できるお悩み

  • なぜうつ病の人は悩まずに実家に帰るべきなのか?
  • 実家に帰りたい人への対処法はうつ病に効果があるのか?
  • うつ病の人で実家に帰れない人はどうするべきか?

うつ病の人が実家に帰るのは情けないことではない

世間ではうつ病は甘えだとか、情けないだとか言われることがあります。

20〜30年くらい前は、そういう考え方が一般的だったかもしれないです。

だから今の40〜50代の人には少なからずそういう考えを持つ人もいるでしょう。

困ったことに、会社であればこの年齢の人たちの多くは「上司」というポジションにいるものです。

だけど、うつ病は、誰でもかかる可能性がある病気です。

うつ病は心のコップがあふれた状態

うつ病はよく、コップの水に例えられます。

うつ病のたとえ。コップの半分以下くらいまで水が入っている
心の中のコップに水が入っている

心の中にコップがあって、つらいことやストレスがあると少しずつ水がたまっていきます。

ストレスがかかるとコップに水がたまっていく

このコップがいっぱいになって溢れてしまったときがうつ病やパニック障害と言われる状態です。(参考記事)

コップがあふれるのがうつ病やパニック障害という状態

コップの大きさは人それぞれ。ストレスを感じたときに注がれる水の量も人それぞれなんです。

コップの大きさや水の量は人それぞれで違う

うつ病は心の弱さとかではない

昔はうつ病は心の弱さとか、甘えとか、情けないとか言われていました。

しかし、今はうつ病は脳に何らかの器質的な変化や機能的な障害が生じたことによって起こるものだとわかっています。(参考記事)

つまり、風邪を引いたり、アレルギーが出たり、血圧が上がったり、コレステロール値が上がったりする体調の変化が起こる病気と同じことなんです。

だから適切に治療しなければならないわけです。

実家に帰るのもそのアプローチの一つとして考えられるので、決して「情けない」なんてことはないのです。

うつ病の人が実家に帰るべき理由3つ

さて、うつ病の人が「実家に帰りたい」と悩むのは間違いだと冒頭で述べましたね。

私が思うに、うつ病の人は実家に帰りたいと悩むのではなく、「実家に帰るべき」です。というか実家に帰ってください。

その理由は3つあります。

  • 実家に帰れば休養と環境調整が同時にできる
  • 日常生活が送りやすくなる
  • いざと言うときのキーパーソンが居る(要る)

順に解説していきます。

うつ病の治療はしっかり休むことから

うつ病の治療の基本は「休養・環境調整」「薬物療法」「精神療法」の3つです。(参考記事)

薬物療法と精神療法は専門的内容になるので省きますが、現役の薬剤師の目から言うと、うつ病の治療薬はとても良いものがたくさん出ています。

ただ、人によって、病状によって、選択する治療や薬物はかなり変わるのできちんと専門の医療機関で診察を受けることが重要です。

話を戻しますが、私はうつ病の治療の基本の3つの中で最も大事なのは「休養・環境調整」だと思います。

私が実家に帰るのを推奨しているのは休養を取ることと環境調整を行うことが同時にできるからです。

あなたにとっていちばん安心できる場所である実家であればしっかり休養をとれますよね?

また、今あなたがいる環境から離れることができるので、環境調整にもなります。

日常生活が送りやすくなる

うつ病になると日常生活をおくるのも大変になります。

たとえば、私がうつ病になったときは以下のような状態でした。

  • 食事をする気力もわかず、食事を作るなんてもってのほか
  • 部屋の掃除もままならない
  • お風呂掃除もおっくうなのでシャワーのみまたは入らない
  • 朝しっかり起きれない
  • 夜しっかり眠れない
  • 今までできていたことができなくなる
  • 判断力が下がってミスが多発
  • ここから消えてしまいたいと思う

挙げ始めたらキリがありませんが、日常生活にはかなり支障が出ました。

実家であれば①〜④のような生活のサポートは家族にしてもらえると思うので休養に集中できます。

私としては⑥や⑦がとてもキツかったのを覚えてます。

たとえば、

  • 料理をしようとしたけど、今まで簡単にできていたことの手順が思い出せず何もできなかった
  • 仕事での簡単な作業を間違えたり、同じミスを繰り返したりした

こんなことが続くと、さらに落ち込んでしまうんですよね。

そしてその結果、ここから消えてしまいたいと思ってしまうんです。

いざというときのキーパーソンが居る(要る)

うつ病の症状の一つに「自殺念慮」があります。

厚生労働省の発表によれば、残念なことに日本は2015年のデータでは先進国(G7)の中でも最も自殺率の高い国です。(参考記事)

自ら命を絶つという悲しい選択をしなければいけない人が多いのはつらいことです。

もしかしたらあなたも死にたいと思うことがあったかもしれませんね。

うつ病の自殺念慮は、上述した「ここから消えてしまいたい」という想いからくるもので、うつ病の人に自殺するなと言うのは肺炎患者に熱を出すなと言っているようなものと書かれています。(参考記事)

つまり衝動的に行動が起こると避けられない可能性があることです。

そんなときにキーパーソンが居るのはとても重要です。

家族がキーパーソンになることがほとんどだと思いますが、あなたを支える意味でも万一の事態を防ぐ意味でも必要です。

うつ病だけど実家に帰れない人は?

うつ病だけど実家に帰れないって人も中にはいるでしょう。

当サイトでも、実家に帰りたいと思ったときの対処法を色々紹介してきました。

しかし残念なことに、これらの対処法は「うつ病の人に限っては」無意味だと思っています。

自分がうつ病になったときのことを思い出すと「そんなことで解決すりゃ世話ねーよ」と思うし、「そんなの今できねーよ」と思うからです。

じゃあどうするべきでしょうか?私の意見を述べます。

まずはしっかり病院へ行く

まずはしっかりと病院へ行くことが最重要です。

医師としっかり話をして、治療方針にしっかり従うようにしてください。

誰かとつながりをつくる

私は、以下のようなことがすごく苦痛でした。

  • 周りの人から冷たい目で見られている気がする
  • 誰かが話しをしていると自分の悪口ではないかと感じる
  • 自分は何をやってもダメだと感じる

要するに「自分が必要とされていない」感じだったと思います。

だから誰かとつながりを持つのが重要だと思います。

私がうつ病の療養のために実家に帰る前は一人暮らしでしたが、毎日母が電話をしてくれていたのでとても助かりました。

SNSは制限する

SNSは同じ悩みを持った仲間を見つけやすいという側面もありますが、同時にキラキラしたものたちも目に入ってしまいます。

BBC NEWS JAPANの記事によるとSNSの中でも特にインスタグラムが最も悪い影響を与えるそうです。(参考記事)

SNSを見て取り残される恐怖(FOMO)のような不安感を感じたことがある人もいるんじゃないかと思います。

SNSを見る時間はできれば1日30分くらいまでにしておいた方がいいでしょう。

掲示板サービスにも注意

5ちゃんねる(2ちゃんねる)のような掲示板サービスにも注意が必要です。

5ちゃんねるは特に心無い言葉をかける人も少なくないので、傷ついてしまうおそれもあります。

その一方、SNSにしても5ちゃんねるにしても温かいコミュニティは意外と温かいもの。

私も辛かったときに5ちゃんねるに居場所を求めたときもあったので一長一短です。

まとめ:がんばるだけが生き方じゃない。うつ病なら実家に帰ろう。

たいていの人はみんな今いる状況で必死にがんばるものです。

だけど無理してがんばりすぎて心も体も疲弊しても仕方ないです。

がんばるだけが生き方じゃないんです。

できればうつ病なら、実家に帰るってしっかり療養してほしいというのが私の想いです。

あわせて読みたい:実家に帰りたいのは『甘え』です。が、悪いことではない。

-社会人